水分補給は水でしろ (嗜好飲料の話)

 

これは小餅氏 @gpc_na_fa が主催する、「ここにタイトルを入れる Advent Calendar 2021」  の16日目の記事です。

https://adventar.org/calendars/6175
他の人が書いた記事を読むと、人は人生を歩んでるんだなぁ って思います。

 

前の記事はたつたさんのhttps://tttaage.hatenablog.jp/entry/2021/12/14/140232

です。

韓国の印章士さんに「お前の名前と生年月日だと1番は公務員、2番は会社員。商人だけは絶対になるな」と言われたのを思い出しました。

国家公務員一般職と専門職の子なので、妥当や妥当や言われた。

最近は職場結婚より学生時代の出会いらしいので、もう遅いぞ。

 

皆さん、前日の記事にリンク貼ってたりするので、まだ読んでない "あとがき" から読む派の方は順々に遡ってもいいかもしれません。

(ところで、Twitterの検索を繰返しやった後、1発でTL戻れんのどうにかならんか)

 

 

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こんにちは、あがめです。

 

本業が石油化学エンジニアなんですが、装置の立ち上げが完了し、ようやく通常運転が見えてきました。

忙しいだけで金にならない日々はもう終わり……

 

本業(石油は飲み物ではない)
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この前、行ったカフェ,喫茶店のリストが200軒超えました。

チェーンは基本入れてないんですけどね。。。

(2021.12.14現在222軒)

 

さて、年の初めに立てた「肌を綺麗にする」というなんも考えてない目標は減ってない化粧水でお察しですが、そんなことより劇的に変わったことがあります。

 

脱サラ 喫茶店主になる。

 

実際には開店準備中ですが、年明け頃に移動販売型の喫茶店を開店する予定で、設備の作成中です。

豆の焼き売りは食品衛生法上の区分が別なので、既に開始しています。(飲んで頂いた皆さん、ありがとうございます)

 

 

趣味やってる方、ここから先は業者向け ってのに阻まれた経験をお持ちだと思います。(偏見)

趣味を仕事にするのは、楽しくなくなったりするのでよくないですが、趣味のために仕事にするのはいいんじゃないでしょうか。

 

あと自分の属性を語る時に、高専卒と留年経験しかないのがシンプルに嫌過ぎた。

 

 

身の上話は置いといて、題名の通り嗜好飲料に関するお話をさせて頂きたいと思います。

①最近のトレンド ②次に来そうなもの ③おすすめ を紹介します。

Twitterやスペースで軽く話した内容の焼き直しもありますが、御容赦ください。

 

 

1. コーヒーについて

主戦場です。

 

①コーヒーのトレンド

まず、しばらく前に起こったサードウェーブから。

ファーストはコーヒーを庶民が喫茶店で飲める価格になったこと。セカンドはアメリカ西海岸に端を発するエスプレッソドリンクの文化を(後追いで)言います。

対してサードウェーブは、味を追求した結果、原料探しで沼にはまったオタクによる <del>自己満足</del> 先鋭化されたコーヒーの文化です。

具体的には、国レベルではなく地域や農園レベルのトレーサビリティ、統一基準での品質評価。味としては、豆の特徴を前面に出した浅煎り(酸や香りが強い)が主流です。

店頭ではスペシャルティコーヒー(品質が一定基準以上のもの)と呼んで売っていることが多いです。

 

飲料としては、日本ではラテが最も販売数が多いとされています。

販売形状としては缶が減少し、ペットボトル販売量が増加しています。デスクワークが増えたことなどから、保存性や内容量が重視されるようになってきました。

仕事中や仕事終わりにグッと飲むより、仕事しながらチビチビ飲むのが主流なんですね。

ちなみに、ラテベースも増えています。家飲み需要の増加と、販売単価を上げられることが理由です。

 

②コーヒーの "次に来そうなもの"

アナエロビックファーメンテーションが盛んになっています。

コーヒーの発酵には主にナチュラル(そのまま 豆の個性と果実感)、ウォッシュド(果実を取った豆のみ スッキリした味)、中間のハニーがあります。

これらは全て空気中で行うので、好気性微生物による発酵です。

対してアナエロビック(嫌気性)は密閉容器内で行うため、発酵の原理が変わり、風味が一変します。

これにより、元の豆では出せなかった香りや味を出せる ≒ 樹種や農地以外で戦える ようになりました。

特に、量は採れるが標高が高くない(酸や香りを出しにくい) ブラジル等で盛んに研究されています。

 

弊害もあります。

新しい手法で法整備が進んでいないため、フレーバーコーヒー等のように記載分けする必要がありません。

例えば果汁に漬け込んで発酵させた豆も、その実態は伏せ、「果実味に富んだ〜」等と称して、さも良質な豆であるかのように売ることが出来てしまいます。

もちろん、豆の偽装もより巧妙化します。

 

あと、それ以前に研究途上で発酵をコントロール出来てなかったりするので、全部美味しくなってる訳では無い(当たり外れがある)というのもあります。

今後に期待!

 

③おすすめ

ゲイシャ (エチオピア産)

サードウェーブの先駆け、ゲイシャ種です。

私の好みというより、スペシャルティコーヒーとはなんぞや ということを理解しやすいと思います。

パナマが有名ですが、原産国エチオピアのものも味、品質が良く、パナマに比べて値段も多少安いです。

人気品種で他の産地も多いですが、「とりあえずゲイシャ植えときゃ高く売れる」みたいなところもあり、土と合ってなかったりするので、エチオピアパナマが無難です。

 

・アナカフェ14

基本グアテマラ産。

じわっとくるタイプの酸味。

品種の発見自体1980年代と新しく、まだあんまり広まってない豆。

製法とかも洗練してきて、これから来るかもしれない品種。

 

ピーベリー

産地や品種ではなく、豆の形状。

豆の特徴が比較的強く出ます。

本来、コーヒーの実は豆2粒のところ、1粒で丸くなってるものだけ選別したのがピーベリー

豆の品評会とかでは、「美味いとこだけ集めて持ってくんな!」って禁止されてたりする。

手間だし、全量の10%もないのでちょっと高い。

(ちなみにうちもタンザニア産のピーベリーが4月入港予定です)

 

 

2. 紅茶について

紅茶は二の次な喫茶店は多い。

 

①紅茶のトレンド

家で淹れる方が増えたこともあり、

各社からペットボトル紅茶が推されていますね。

際立ったトレンドがあるというより、消費量の増加で販売形態に幅が出たり、専門店が増えてきた印象があります。

 

②紅茶の "次に来そうなもの"

・農園指定

最近オタクが増えてきた

これまで紅茶業界は、大企業主体で牽引されて来ました。

というのも、文化的背景として "男はコーヒーハウスで政治,博打,Hentaiを語り、女は家で茶会を開く" があるためです。

つまり消費者がすべきことは、良いブランドを探してきて正しく抽出し、紅茶とお茶菓子でおもてなしすることだったわけですね。

生産者に求められることは、常に一定の基準で提供することです。

そのため、発展したのはフードペアリングや、ブレンド技術、着香技術でした。

基準を一定にする上で、多くの産地や農園と契約を結び、気象や騒擾に影響されない大企業が強くなったのも必然と言えます。

 

対して、ダイレクトトレードが比較的容易になり、より先鋭化された味を求める風潮が現れ始めました。

スペシャルティコーヒーのような紅茶文化が一般化する日も近いかもしれません。

 

・国産紅茶

和紅茶と呼ばれ、再興してきました。

一時は輸入紅茶に押されてほぼゼロまで落ち込みましたが、上述した農園指定の流れや国産の安心感等で徐々に生産量,販売量共に増え、品質もここ数年で著しく上昇しています。

ただ、紅茶専門店は店の利益を乗せた際の、お客さんが求めるレベルとの乖離を恐れてなかなか扱えないそう。

逆にセレクトショップのなどは、純粋な味より変わり種や、安全性(外産も原産国,日本共に厳しい基準があるので、お気持ちの話)を求める客層が多いので、取り扱いがあったりする。

 

・紅茶の総合流通業者

初めに「紅茶は二の次な喫茶店は多い」と書きましたが、理由があります。

上述のように 凝る人が少なかった、こだわりを出せる点が抽出に偏っていた というのもありますが、最大の理由は "喫茶店向けの総合流通業者がない" ことです。

コーヒーの場合、豆の卸業者と契約を結べば、豆だけでなくジュースやフード材料、器具や店舗用品、看板まで購入出来て、抽出のセミナーも受けられる という総合流通業者が存在しています。町でコーヒー卸業者の名前が入った喫茶店看板を見掛けたことがあるかと思います。

それが紅茶にはないため、参入障壁となっています。

今、紅茶関連のお店や事業者の一部が集まり、喫茶店を総合支援出来る業態を確立出来ないかと、思考しているとかいないとか。。。

 

コーヒー好きと喫茶店好きはコーヒー屋を、紅茶屋は紅茶好きが開く店 という図式が変わってくるかもしれません。

 

 

③おすすめ

・和紅茶

今が存続するか否かの岐路です。

最近の茶園は大体自前のECサイトがあるので、出来ればそこで買うのが農園にも消費者にもいいと思います。

 

ダージリン

花形ですね。

収穫時期によって味わいが変わります。

繊細な味なのでストレートが美味しい。

 

・ヌワラエリヤ

繊細で香りが爽やか。

味の通り、ダージリンと気候が似ているらしい。

ストレート向き。

 

・キャンディ

紅茶らしい紅茶。

風味が強いので、ミルクティーにしても消されない。味自体は無難なので、ストレートでも。

飲み方決め打ちして買わなくて良い。

 

下二つに限らず、スリランカ産は全体的におすすめです。(いわゆるセイロンティー)

品質が良くて味も変な尖りが無い。

飲み方もストレート,ミルクティーを選ばないものが多い。

あと、インドみたいに大規模ストライキで収穫時期丸々消える とかあんまりないイメージですね。嬉しい!

 

 

3. 日本茶中国茶について

いわゆるお茶。

 

日本茶中国茶のトレンド

日本茶悪い話しか聞かねえ

中国茶が少しずつ市民権を得てきました。

日本茶と同じ方法で抽出出来るため、始めやすく、ハマれば茶器も色々…… と、沼にハマりやすい構図ですね。

日本茶については…… お茶離れが加速しています。。。

あまりに生活と密着していて、先鋭化が遅れました。独自の価値付けが必要なフェーズに突入。

面白くなりそう

 

日本茶中国茶の "次に来そうなもの"

・農園指定

紅茶とともに、こちらも農園独自のブランディングが始まっています。

特に日本茶は国内生産。産地と繋がりが強く築けるため、生産者の顔が見える、飲用者の感想をフィードバックしやすい等の利点があります。

 

・茶器のモダン化

抽出方法が単純であるため、形状に縛られない様々な茶器が出てきています。

特にコーヒー紅茶と比べ、主な消費国がアジア一帯のため美的感覚が類似しており、経済発展の最中にあるため、出てくるものも多種多彩。

コーヒーや紅茶のように、器具ブランドの権威性が少ないのも要因かと思います。

 

 

③おすすめ

・かぶせ茶

煎茶と玉露の中間と言われます。

玉露に比べ遮光期間が短いため、テアニン由来の旨みと、煎茶が持つカテキン由来の爽やかさを合わせ持っています。

遮光のタイミングで味が決まるため、農園の腕が出やすいとも言えるお茶。

 

雲南緑茶

普洱茶が有名な雲南省ですが、そもそもお茶の質が非常に高いので、緑茶もとても美味しい。

 

凍頂烏龍茶

台湾産。

烏龍茶の中では味が緑茶に近く、飲みやすい。

 

・東方美人茶

台湾産。Oriental beautyの訳語。

烏龍茶の中では発酵が強めで、味は紅茶に近い。

近年、特に台湾内で消費量が増えている。(生産量は増えていない)

 

 

以上です。

 

ちなみに、各原産国コロナの影響が結構出ています。

人手のいる収穫は隣国からの出稼ぎ労働者に頼っている農園が多かったり、収穫出来ても

ロックダウンやコンテナ不足で港から輸出出来なかったり。

到着遅れや、収穫の旬を逃す等、産地も消費国も大変でした。

あと、コーヒーはブラジルが霜害で大打撃。取引相場が大変動して、値上げが相次いだ年でしたね。

 

そんな中潜り抜けてきた嗜好飲料たちです。

皆さんもお出掛けついでにお近くの喫茶店などへ足を運んでみてはいかがでしょうか。

(ちなみにあがめは、台湾でコーヒーが飲みたいです)

 

 

まぁ、なんだかんだ言って、こんな御託より味が一番大事なんですが。

 

駄長文を最後までお読み頂き、ありがとうございました。

おわり

 


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